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下の下のふもと
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空腹ももう限界だ。
最後の保存食を食ったのはもう3日前の65時間後くらいだろうか。
意識が朦朧とする中、ただひたすら気力を振り絞り歩き続けた。
すると目前になにやら怪しげな建造物が見えた。
緑の発光体を掲げ、「酒」、「たばこ」、「Famiなんとか」などとよく分からない象形が描かれている。
しかし、この建造物は明らかに人為的に作られたものだと確信した僕は、
食料を求めて中に入る決意をした。
扉と思しき前に立つと電子音と共に自動で扉が開いた。
なるほど。こっちの思惑はお見通しか。その上で招き入れると・・・
思いがけない挑発的な歓迎に、全身力がわいてくるように感じた。

中に入ると冷気が全身を包む。
思わず身震いをしそうになったが、我慢して道を見定める事のみに集中する。
道は前方と右に曲がる2本があった。
ここは道に迷わないよう右手の壁伝いに行くことにした。

少し進むとまず見えてきたのが書物と思われる印刷媒体の山だ。
見るからに食えたものではないが、整然と並べられた書物、
そこに書かれた煩雑な言語、高度な印刷技術。
これらのものを作った者たちはかなり高度な知能を持っていると推定できる。

さらに進むと左へ曲がる角に突き当たった。
その奥の壁には、透明な扉で、壁に埋め込まれたケースがあった。
中には大量のボトルが安置されており、その中身は禍々しいまでの極彩色を放っていた。
水分は欲しかったが、何の薬品が入っているかも分からないこんなもの飲めるか。
歯が溶けるのも勘弁だが、糖尿病も勘弁だ、と諦めた。

さらに歩みを進めた僕は、その先のを左に曲がりさらに前へと進んだ。
すると壁一面にの棚に食料と思しきモノが並んでいた。
麺状の物が容器に入り過剰に梱包されていたり、植物の挟まったパン状の物がフィルムに包まれていた。
高度な知能を持つ生命体なら、この程度の過剰衛生意識も当然だろう。
と納得し一つ一つ手にとって見た。
その中でひとつ。
中心に具材を埋め込み、三角形に握られた炭水化物。
その周りを繊維を固めた黒色の布で覆う料理。
間違いない。これは「おにぎり」だ。
僕は食料を手に入れた感激のあまり、たらこと紅鮭も手に取っていた。

食料を手に入れ意気揚々としているとついにそのときが来た。
ここを掌握する知的生命体との接触だ。
思わず僕は手に入れた食料を相手の前の台に落としてしまった。
ちくしょう、俺はなにやってんだ。と後悔する間に相手は、
おにぎりを高速でスキャンし始めた。
なにが起きたのか分からないまま呆然としている自分に相手は
「おにぎりは温めますか?」
と聞いてきた。
これ以上、相手の思うがままにされるかと
「いえ結構です」
と僕は反発した。すると相手は
「今チキンが10%offとなっておりますが?」
と聞いてきた。虚をつかれた僕は
「じゃあ1つ」
と思わず答えてしまった。
ちくしょう。どんだけ相手に乗せられてるんだ。と自己嫌悪。
しかし僕も反撃に出る。
「支払いはEdyで。」
と言い。携帯型通信機を使い、シャリーンという音と共に商品をつかみ施設を後にした。
扉を出るときまた電子音が鳴り響き、追っ手が来る前に
と思った僕は、素早く二輪車に飛び乗り、ホームへの帰還を目指した。



スパイシーチキンうまうま。
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